兼高かおる世界の旅 ~マン島編~

おっさんと言われようと、懐古主義と言われようと、そんな声には動じない年になってしまいましたが(笑)、ここ最近スカパーで欠かさず見てるのが「兼高かおる世界の旅」。もう私が説明するまでもなく超・超長寿番組、紀行番組の駆け足という存在。TBSチャンネル2というので毎週1エピソードずつ流れます

当時、私が物心ついたとき、日曜の朝と言えばこれが流れてました。当時は子供だったから全く興味なくて、単におっちゃんとおばさんがしゃべってるくらいにしか思わなかったんですが、それでもタイトルに映るPan Amのロゴマークの飛行機は幼心にかっこいいというか、印象深く思ってました。

で、それから数十年経ってスカパーに入って、うわー懐かしい~と思って見始めたところ、これがなかなかの良コンテンツ。当たり前なんですが、映ってる風景とか車、バイク、そして人々、ファッション、すべて当時としては「ナウ」だったわけですが、今見るともう歴史的価値すら感じるノスタルジーあふれる映像。

兼高さんと芥川さんの掛け合いも全く作り込んだ様子がなく、また出てくるトピックが古い! とあるシーンで芥川さんが突然「みがかずは玉も・・・」と言いだしてなんのことかと思ったらすかさず兼高さんが「昭憲皇太后の? まあお古いですね~」と言われてて、談笑のつもりだったんでしょうが、私には古すぎてもはや歴史教養番組の域です。

(注:昭憲皇太后が読まれた歌「みがかずば玉も鏡も何かせむ まなびの道もかくこそありけれ」のこと)

これに限らず、要所要所に入る言葉が当時の社会やトレンドを表していて、それを聞いているだけでもちょっと勉強できた気分にすらなります。

で、本題ですが、とある回でマン島が取り上げられてました。バイク界隈ではマン島といえばオートバイレースで大変有名ですが、私はそれ以外のことを知らないなと思って。そもそもどこに位置するかもあまり関心無くて、イギリスのどこかの島くらいにしか思ってなかったんですが、この紀行では様々な観光スポットを取り上げられてて、そうか、これが一般のマン島の楽しみ方かと改めて思いました。

エピソードは島に入るフェリーというところから始まるわけですが、レースを行われていない時期にもかかわらず大勢の人、そして車やバイクが降りていきます。バイクは当然すべてクラシックスタイルですが、まー当時はこれが最新だったんだろうと。

映像はその後、様々な観光スポットを巡り、マン島固有の猫「マンクスキャット」の紹介、そしてナイトスポットやカジノの紹介へ。カジノまであったそうですね(今は分かりませんが)。イギリスの方々が余暇を楽しみに週末にマン島に来る、当時はそんな位置づけだったそうです。

そしてマン島レースの話もちらっと出てきます。数分でしたがサイドカーレースの模様が映され、みんな楽しそうなんですよね~ ピリピリした感じもなくて。私はマン島TTの話はあまり詳しくないですが、当時の映像を見た感じでは「筑波選手権」というより「筑波TT」や「テイストオブツクバ」のような雰囲気。

印象的だったのが観客の様子。マン島といえば観客がコースのすぐ近くで見てるイメージがありますが(コースじゃなくてただの一般道なので当たり前ですが)、ペンと紙を持っていろいろメモ取ってるんです。どのバイクが通過したとかいうのをチェックしてるのか、観客の熱の入れようも分かります。一方でそのへんの近所から来ました的な観客ももちろんいて、良い感じで雑多に合わさってる雰囲気が見てて和みます。

もしご興味あれば見てみて下さい!と言いたいところなんですが、すでに再放送も終わってしまって、オンラインの動画サービスでもなくて、DVDも販売されてない模様。TBSチャンネル2をずっと見てればいつかまた入ると思いますが、それいつ?って感じです。ま、尺としても2分程度でしたのでまあそれほど貴重映像というほどでもありませんが、もしノスタルジーなバイク・車を見てみたい方は他のエピソードでも十分味わえますので「兼高かおる世界の旅」を見てみてください! 兼高かおるさんの話し方、古き良き「お上品」なタッチを地で行ってるのもみどころ・聞きどころです。


TBSチャンネル2 エピソードの説明から

★「走れ!マンクス」#511(1970年11月22日放送)【カラー】
アイリッシュ海に浮かぶ自然豊かな英国王室領・マン島を紹介していく。マン島の固定種で、尻尾を持たない珍しい動物・マンクスキャットを取材するほか、日本からの出場者もいるほど有名な、世界最古のレースのひとつ・TTレースの模様を紹介。また、マン島の夜の顔であるカジノなどの様子もレポートする。

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