Filmora(フィモーラ)がかなり使い勝手良くなってた件

ずっと前にFilmora(フィモーラと読む)が安くていいんだけどいろいろイマイチで惜しいみたいなことを書きました。

それからもう数年経って、久々にちょっととある企画ビデオ制作をすることになり最新版(バージョン12)を見てみたら、これがめちゃめちゃ使い勝手が良くなってました。良い感じの機能も一気について、これはかなり使える〜 おかげで割と手間かけずに作った企画ビデオの受けがめちゃよかったです(笑) フィモーラなしにはこんな短期間納品出来ませんでした。ありがとう、FIlmora!

というわけで最新版バージョン12のレビュー、良くなった点まとめ。

(一部機能はバージョン11から使えてたものもあるかもです)

キーマップを変えられるようになった!

なんだ、そんなことかよ、と思うかもですが、ここにかなりイライラしていた方もおおかったはず。これまでのFilmoraはキーマップがプレミアでもなく、AEでもなく、FCPでもなくという、なにそれ?というマップで、特に横スクロールがめっちゃやりづらかったんです(Alt + マウスホイール)。「操作めんどくさ、使うの止めたくなる」というレベル。これがバージョン12でプレミア風、FCP風に出来るようになり、ようやく普通にマウスで横スクロールが出来るようになりました。数ある「良くなった点」のなかでもこれを最初に言いたいくらいほんと良かった。

調整レイヤーが使えるようになった!

これもまた大きいですね〜 映像をぶつぶつ切ってトラックに10個とか並べてから「あ、こいつらまとめて色味変えたい」とかいう場合に、ぶつぶつ切った状態の素材ごとに色味調整を適用なんてやってられん! そこで調整レイヤーの出番です。対象の10個の動画の上に調整レイヤーをばーっと引きます。そして調整レイヤーの色味を変えればその配下の10個が全部変わります。超便利☆

その他エフェクトとか動きとかいろいろまとめて適用出来ますよ。

キーフレームが圧倒的に打ちやすくなった!

映像、音声、どちらに対するキーフレームもトラック画面で作成出来るようになりました。これまでは素材の詳細画面でないとキーフレーム打てなかったので使いたいと思わなかったんだけど、本バージョンで操作性一気にアップ!キーフレームの微調整もトラック上で左右移動できたりするのが便利。あと再生速度で言えばリマップ用のウインドウも用意されて、これも便利☆

右側ペインにいろいろまとまってる!

右側にまとまって各種プロパティが出るようになってこれも便利。バージョン11でも合ったのかな。

– なんかAI機能もすごくなった!

人物だけ抜きたいというのがめっちゃ楽! ブルーバックやグリーンバックでなくてもカンタンに背景抜き写真をつくれます。

 

トランジションや素材集も使えるのが多くなった!

デフォルトで付いているトランジションもだいぶ増えて、まあ大仰すぎて使わないのも多いですが、使えるのもだいぶ多くなりました。個人的には「プレゼンテーション」「3D」カテゴリのが好き☆

書き出しウインドウも使いやすくなった!

ついにデフォルトのファイル名が「私のビデオ.mp4」でなくなってプロジェクト名を引っ張ってくるようになりました! 何言ってるんだ??と思う方は私の以前の投稿を見てみてください。 地味だけどうれしい。

映像トラックを好きに上下出来るようになった!

これもようやく出来るようになりました。これが出来るおかげで調整レイヤーも意味をなすわけですね! 調整レイヤーはそれより下にあるトラックにエフェクトがかかるため、かけたくないものを調整レイヤーの上に持ってこないといけません。そのためトラックを自由に上下出来る機能が付いたんでしょう。

マスクも簡単にできるようになった!

あんまり使う場面ないかもですが、マスクがかなり使いやすいです。このチュートリアル動画にあるように、人の裏っかわに文字を流したいとかいうのが超カンタンに作れます。奥行きを付けた動画が作れます。

部分書きだしが出来るようになった!

これはもしかしたら過去バージョンでも出来てたかもですが、トランジションやエフェクトを入れるとプレビューがカクカクになるんですが、そこだけ書き出して見たいというときに使います。一部の動作確認のために全体書き出しは手間なのでこういうの便利ですよね~

 


 

じゃ、ここからダメなところ。1つを除きあとは「まあこの値段ならしょうがいないか〜」というものですが、その唯一の1つが結構かなり痛い。

絵と音がずれる!(致命的)

どうもこれ、バージョン12でのものではなく、調べてみたらバージョン9でも発生してました。これが致命的。

動画編集やってると、絵と音がずれる現象って結構遭遇します。原因もいろいろ。素材自体に原因があったり、編集ソフト、編集のしかた、出力形式、PCの構成等いろいろあります。私もいろんなズレに対応してきましたが、Filmoraのこの症状はどの方法でも直らなかったんです。

で、不思議なことに、Filmoraで出力した音ズレありmp4をそのままVegasに取り込んで再エンコードするとずれが収まります。えっ?って。そんなことあるの?? これは初めてのパターン。どうもFilmoraで出力したファイルのヘッダーになにか問題があるんだろうなーと思うんだけど、これ以上は分からず。

いちお、複数のPCで再現するのを確認したので、環境起因でなってるとも考えにくい。Intel系、AMD系、GPUありなし、コーデック変えて出力してダメ。

ずれ幅はだいたい150msくらい。なので気にならない動画も多いです。風景・バイク等の音の立ち上がりがマイルドなのはたぶん全くきにならない。Vlogや会話もまああまり気にならないでしょう。逆に音楽系とかスポーツ系(卓球とかバスケとか)だと結構目立ちます。150msってテンポ120くらいでおおよそ16部音符1個分くらい違うので、結構ずれます。なんとかならんのか〜 これ。しょうがないので、Filmoraで50Mbps程度で出力し、Vegasに取り込んで25Mbps程度まで落として配布する予定(これで直るというのもすごいんだけど)。

これ以降はあれば良いかなという点をいくつか。

モーションは相変わらず編集不可

ま、これが出来たらAE要らないぜってなるのでFilmoraに求めるのはお門違いなんですが、例えばこういうタイトルのタイトル枠は欲しいけど、周りのひらひらが要らないとかいうのでも、このひらひらまで含めて1つの動画?オブジェクト?になってるため切り取ることが出来ません。残念。

あとモーションの色を変えるのも不可。例えば上記タイトル枠を白から青に変えたい等が出来ません。ま、これが出来たらまんまAEじゃん!となってしまうので、さすがにこれは求めすぎかなと。

パラメータを維持したまま素材(特に写真や画像)の入れ替えが出来ない

これは地味に欲しい機能。例えばこの写真よりいい写真があったので入れ替えたいんだけど、前後のトランジションや色味設定はこのまま使いたいんだよね、とかいう時に対応出来ないので、写真を新たにおいて、前後のトランジションももう一度設定して、色ももう一度変えて、、、というめんどくさい作業が必要。Vegasだと素材だけ入れ替えができます。

画面分割が使いやすいけど、それぞれの素材の大きさを+-でしか出来ない(数値で指定したい)

画面分割で写真を入れ替える度に大きさが100%に戻り、かつ小さくする場合に-ボタンをクリックするしかなく、%指定が出来ないので、前と同じ大きさかどうかというのが分からなくなってしまいます。

あと欲を言うと画面分割系のトランジションがあるといいなーと。あの画面分割のイン・アウトのエフェクトが意外と使えそうなんですが、トランジションには設定なし。仕方ないので例えば3分割をトラックに並べ、3枚ともすべて同じ写真を入れて位置を調整し、いかにも「1枚写真に対するエフェクトだよ」というふうに見せる力業も使いました。

トラックのグルーピングが出来ない

グループしてまとめて前後に動かすことが出来ず。まとめて移動する場合は毎回選択すればいいだけなんですが。

アルファ付き出力が出来ない

もうこれもあれば尚よしですね。アルファ付きって要するに透過GIFの動画版です。これを素材にしてさらに別の動画の上に配置出来たりします。

 


 

とまあいろいろ書きましたが、これだけバージョンアップしてお値段引き続き1万円しない程度(永続ライセンスの場合)。これで初心者・中級者向け動画編集ソフトはいいんじゃないかとまじで思います。絵と音がずれるのはなんとか直して欲しいけど(これ、他の方で指摘している方を見かけないんだけど。もしかして自分だけが盛大に勘違いしているだけだとしたら痛い。でもズレるんだよね〜やっぱ)

あとfilmstockもかなり使えるのが入ってきてます。パーティクル系、炎系、フォグ系、あとSciFi系とかゲーム系とかちょっとアクセント強すぎなのもありますが、入れ方によってだいぶ飾れます。filmstockは買い切りはなくてサブスクです。(買い切りも提供ありますが使える素材数が少ないので、ここはサブスクにのっかったほうがいいと思います)