小型二輪の販売が伸びてる?

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最近ニュースで時々耳にする明るいニュース。「小型二輪の販売が伸びて、原付バイクを越すかも!」という話です。

小型二輪は51cc-125ccまでのバイクで、黄色やピンクナンバーのもの。原付第二種とも呼ばれるものなので、50ccバイク(原付第一種)とだいぶ似た要素もあります。特に税制面(安い)や任意保険(ファミリー特約4が使える)は126cc以上のバイクにはない魅力ですね。

小型二輪の免許が取りやすくなったというのもあります。普通免許をお持ちの方がAT小型限定普通二輪免許を取る場合、最短2日で取得できます。ただし「普通免許」を持っていて「AT小型」を取る場合なので、いろんな条件付きですね。あと1日かけられるのであれば最初からAT限定なしの小型免許が取れるので、個人的にはそっちのほうがいいんじゃないかなとか思ってしまいます(AT限定小型+技能2時間でAT限定なしになります)。

いいニュースだな、これ、と思う一方で、小型をよく見るようになったという実感が全くなくて、、、ほんと売れてるのか??とかつい思ってしまうこの性格。単にバイクマーケティングの一環でそう宣言してるだけなんじゃないか? 私も以前APE100を購入したことがあるのですが、50ccよりパワーもあるし、法定速度も高いので乗りやすい反面、高速道路は乗れないし、「原付不可」と書いてある道路(甲州街道、新宿御苑近くのアンダーパスとか)って小型二輪のAPE100で通っていいんだっけ?と考えたり不安になるのがやっかいだなーと思ってしまい、結局手放してしまいました。

このへんの考えは個人の考えによるところも大きいので、一概に言えるものではなくて、小型二輪の手軽さ、良い意味での小ささは十分メリットだと思います。各社からこれまでに無かったようなバイクもでてきましたし(ホンダのCT125とか、スズキGSX-R125とか)。

(ちなみに道路交通法上は51cc-125ccまでのバイクは普通二輪の小型限定という扱いなので、原付とは異なります。例えば二段階右折は50cc未満のバイクでは義務ですが、51cc以上のバイクではこれに従う必要はありません。原付第一種とか第二種というのは道路運送車両法になりますので、新宿御苑近くのアンダーパスは51cc以上のバイクは通っていいと思うんですが、イマイチ自信がなくて。。。)

話を戻して、小型二輪が本当に最近増えてるんだっけ?という件。 ニュース以外にデータがないかなと思って調べていると、日本自動車工業会(JAMA)にデータがありましたので、これをもとに作ったグラフがこちら。1993年以降は毎年のデータがありましたが、それ以前は飛び飛びのものしかなかったので、そういう前提のグラフになります。

原付第一種が青第二種が赤です。これを見ると2020年ごろに青と赤が交わりそうで、確かに第二種が第一種を追い抜きそうです! でもそれって青がだんだん減ってるだけで、赤はだいたい横ばい。つまり50cc未満の原付バイクがどんどん売れなくなってるってことですね。50ccは法定速度も30km/hだし、どうせ買うなら100ccスクーターのほうがいいよねとかいうのもあるので、原付第一種の販売分が単に小型に流れたというだけかもしれません。

しかし1980年代の売れ行きはすごいですよね。おかしいくらい売れたんだなー。原付第一種グラフに引っ張られてるのでだいぶ圧縮されてますが、それ以外の売上ってそんなに大きい変化はないんですよね(原付第一種を除外したグラフを作るとだいぶ差がはっきりするでしょうが)。

緑破線は軽二輪(126-250cc)ですが、2000年代に見られる山はいわゆるビッグスクーターブームでしょうね。実際によく見るようになったと実感はありますが、こう見るとほんとに売れたようですね。

なお生産のデータもありまして、それを横に並べたのがこちら。縦の目盛りは両方同じです。

こちらは1970年からのデータがあるのでそれも入ってます。生産という観点では、原付第一種も第二種も相当数生産していて、でも純減で、次第に海外生産になったのでしょう。緑の軽二輪も同じようなグラフです。タイで生産されたCBR250Rが日本で売られるようになったのが2010年からなので、実感とぴったりマッチします。

一方、小型二輪車(251cc以上)は2008年頃まで100万台も作られていて、ピークの1980年代とほぼ同じ規模。その後がくんと落ちているのはリーマンショックだと思いますが、その後は40万台くらいに下がってしまいましたが、1990年代以降もこれほど生産してたんですね。知らなかった。

1980年代の盛り上がりを基準に考えてしまうとやはりバイクの下火感は否めないですが、まあ異常な時期だっただけかもしれません。生産のグラフには1970年も含まれてますが、だいたい1990年代と同じ規模です。1980年代だけ飛び抜けてます。

JAMAのサイトにはこのほかに輸出台数、保有台数というデータもありますので、興味のある方は見てみて下さい。

というわけで、どうやら

  • 原付第一種より原付第二種が好まれる傾向にある(第二種が伸びているというより、第一種が減っている)
  • 原付第一種でいいやという人が減って(売れなくなって)、歩きや自転車、電車に流れた?

というトレンドのようです。私も原付第一種持ってないけど、ロードバイク(自転車のほう)はあるしなあ。昨今の健康ブームも関係してそうですね。

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