サーキットライダーの高年齢化を考える

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(自分ももちろん含む話です。私は今年46歳です。)

先日のMCFAJクラブマンロードレースの1シーン、L.O.C.カテゴリのヘビーウエイトオープンBというクラス決勝は、有名どころのプライベーターTeam 46 worksの中嶋志朗さんとモト・ラボロRTの神宮司さんの一騎打ちでした。いわゆるクラシックカーなので1分0秒切るとかいう次元とは違う次元のレースですが、有名ショップの代表同士のバトルに見入ってしまいました。最初数周は結構順位が入れ替わっていたと思いますが、最後は中嶋志朗さんが突き放してゴール、という流れ。

神宮司さんって私は直接お話するような方ではありませんが、サーキット仲間の中にはモト・ラボロにお世話になっている方もいて、まあ言うなれば「相当ご高齢」なんですがいまだに現役レーサーというお方。今年70歳だそうです。それでMOTO GUZZI 1200SPORTを繰り、そして乗るだけでなくレースに出て、1分12秒で走ってしまうんです。

自分が70歳のときに果たして1分12秒で走れるのか???とか思わず思ってしまいましたが、そもそもレース出場はおろか、サーキット走る気力もあるんだっけ??とか。目標としたい年の重ね方です。

一方で、自分を含め、やっぱレーサーの高齢化っていう問題は結構切実な問題ですね。サーキットに集まる方々を拝見してもおそらく平均年齢40歳、もしくは50歳代かもしれません。それくらい高齢化が進んでいる業界。最近は250ネオスタンダード(CBR250R/RRとかYZF-R25とか)で若い世代の反応も良いようですが、ことレースやサーキット走行となると最初の投資がそれなりにかかるのもあって、そこそこの年齢にならないとチャレンジできないという話もあります。

プロレーサーの場合はどうでしょうか。

先日のもてぎ2&4のリザルトをもとに、これまた勝手にJSB1000のトップライダー年齢一覧表というものを作ってみました。(お断りですが、年齢情報はネット上のものをかき集めただけですので、正確でない場合もあります。「ちょっとここ違うんだけど!!!」というツッコミはなしで、全体的なイメージ・概要をつかんでいただければと思い作りました)。色が濃いほど年齢が高いという意味です。

先日の2&4では中須賀選手が優勝! その中須賀選手ももうすぐ40歳になります。そうかーーもうそんな歳かっていうかんじですね。そして同時に自分の歳も意識せざるを得ないという。

続く水野選手はだいぶ若手、高橋巧選手や渡辺一樹選手はもうすぐ30歳。

そしてそのあとの秋吉選手、加賀山選手はもう重鎮ですよね。年齢も40台半ば。

6から11位までは若手が続きます。そして12位から18位までは濱原選手を除いて30代、40代。

全日本は花形、若手育成にも力を入れているクラスですが、それでも親子くらいの歳の差の方達がバトルしているという状況です。年齢が分かる範囲で書きましたが、その範囲で平均をとると32歳。

さてMCFAJはエントラントの年齢もすべてネットでさらされている状態ですが(笑、まあ私は構わないけど、女性の場合どうするんだろう???)、見て分かるように相当な高齢化です。ちゃんと集計していないけど、L.O.C.に至っては平均年齢50歳代? 最高齢はなんと78歳! その次は77歳! すごいな、その年でサーキット走るって。親子どころか孫と勝負もありそう。

ちなみにMotoGPでも調べてみましたが、こっちはロッシを除いて20代14人、30代以上8人で、全日本よりは若いですが、意外と30代もいるんだなーと。ちなみに全日本では20代10人、30代以上10人と半々。

さらにちなみにいまから30年前、バイクブーム全盛期、1989年のWGPで見てみると、20代16人、30代以上6人。ローソン、レイニー、サロンという30歳前後を、20代半ばのシュワンツやドゥーハンが追っていたという状況でしょうか。このとき平忠彦選手は33歳、藤原儀彦選手は23歳と、10歳も離れていたんですね。

こうやってみてみると、世界的に?高年齢化というのは進んでいるのかなとも思います。過去の方が色が全体的に薄い(今のほうが色が濃いものが多くみられる)ですね。なお、全日本1989年のデータは見つかりませんでした。

ちなみに1980年から2019年の約40年間にて、日本の平均寿命もだいたい10歳近く高年齢化しています。そうか、そんなに伸びたのか。だったらライダーの平均年齢も10歳くらい年取ってもまあ自然の流れ?

私は2輪のセールスでもメーカーでもないので、2輪を若者に売りたい!とかいう直接的な意気込みはないですが、私の子供が大きくなる頃には自動運転、電動バイク、ロボットというのがもっと発達していることでしょう。そうなると2輪の楽しみ方というのも変わるんでしょうね。ロボコンのバイク版とかいうのが始まるかもしれないし、MotoE(MotoGPの電動版)というのも始まりましたし、これから大きく変わる時代です。若者がもっとレースに参加してほしいと思いつつ、「若者をライダーとしてレースに呼び込む」というだけではない取り組みも必要なんだと思います。

全く新しい競技、例えば自動運転でどれが速いかとか、ラインに正確だとか、途中で必ず○○を通過しないといけないとか。ロボット競技の世界では、ロボットがどれだけ早く迷路を抜けられるかというのもあったりして、これがすごい「迷路+急加速減速競技」なんですね。それはあくまで一例ですが、これまでに思いもしないような競技がやってくるのかなと思います。

でもやだなー、ロボットライダーと生身の人間が対戦する世の中にはなってほしくないな。ロボットだったら恐怖心とか怪我に関して圧倒的有利でしょ。

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