レースのスタートってまじ危ないんですという件

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最近痛ましいレース事故続きますね。

先日の岡山国際での追突事故、スタート出来ない車両に後ろからきた別の車両が追突したというもの。岡山国際のリザルトを見るとインターと国内混走のST600での模様。

決勝本番のスタートでなくて、その前のウォームアップ走行での事故。ウォームアップではあれ、当のライダーとしては本番スタートの練習さながらスタートしたんだと思います。そこで前方にスタート出来ない車両に追突という事故。

これ、時々このような事故を聞きますね。レース当日のアドバイザーからも何度となく「とにかく前を見て走ってね」「タコメーター見て走らないでね」と、そりゃ当たり前でしょ??という念押しをいただきます。それくらい頻発する事故で、かつインパクトがかなり大きいというもの。

だって、止まっているものに後ろから全速力のバイクが突っ込むんだから、普通の、コーナーでスリップダウンしちゃいましたとかとは訳が違います。極端に言えばウォールに150キロくらいで直撃しているようなもの。特にインターが出るようなレースなので600ccとはいえ一気に150キロくらいになるでしょう。

んで、この手の事故、話だけ聞いてると「さすがにこれはないんじゃないか?」「前方不注意でしょ??」とか思う方もいらっしゃると思って。実は私もそう思ってました。これをやるまでは。 おいおい、さすがに前に止まってるのは見えるでしょ?? と。 でもこれをやってからはもう他人事とは思えません。

それが2016年のTTスタート。まずは百聞は一見にしかず、そのときの動画がこれ。

このときは30台くらい走ってましたが、私はほぼ最後尾からのスタート。そして運悪く前方1列目の車両がスタート出来ず残っていました。つまり加速する距離も十分にあったというわけです。しかも前方には他のバイクが同じようなスピードで走ってるので、それらの影となって止まっているバイクが見えないんです。この動画を見ても突然停車しているバイクが現れるのが分かると思います。

まじ、びびりました、これ。やべ、バイク止まってる!というのが分かってからその脇をすり抜けるまで1秒なんてないですよ、0.3秒くらい? しぬかと思いました、まじで。そんな短期間で教習所さながらの危険回避なんて出来ないし。せいぜいアクセル緩めるくらい。おそらく30-40cmくらい??脇を120キロくらいで駆け抜けました。

で、こういうときは周りにいっぱいいるオフィシャルが一斉に旗を振るんです、注意喚起という目的で。でも前しか見てないんでそんなの一切視界に入らず。

ちなみにスタート時って私何考えてるかっていうと、3気筒というのもあってスタートは割と速く抜けられるんですよ、いつも。なので「あそこを抜けて少し前に出よう」っていうのを考えてるわけです。つまり右から行こうか左から行こうかというわけです。

このときはたまたま「うーん、どっちだ? 右か? いや左だな!」となってました。なので動画見ると最初少し右に振って、そのあと左に振り直しています。つまりこの「左に振り直し」をしなかったら・・・もしかしたらおそろしいことになってたかも。それくらいスタートって前方見通し立たないんですよ、という実体験。

タコメーターみながら、下向いて走ってるとかじゃないですよ。ずっと前を向いててもそれくらい危ないってことなんです。話には聞いてたけどこうやって実体験してしまうともう慎重にならざるを得ません。それ以降はほんと慎重になったし、あとそれ以降のST600は台数も減ってしまったのでスタートで「十分な加速」をして追突することも無くなってしまいましたが。

おそらく今回もフロントローの方がスタート出来ず、追突した側はほぼ最後尾からのスタートだったんでしょう(リザルトからの推測)。つまり十分に加速できる距離があったのがいたましい事故につながってしまったと思います。

ご冥福をお祈りいたしますが、他の皆様におかれてもスタートはまじ危ないので、という注意喚起に少しでもなればと思って書いています。

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