電動バイクはkWで免許が変わる

↑MotoEタイトルスポンサーenelのEgo Corsa

電動バイクが一般的になれば「エンジン○ccで○馬力」という表現ではなく、「モーター出力○kW」とかいう表現になると思いますが、kWとか言われてもイマイチピンとこないので、簡単な対応表を作ってみました。

まず免許。これは排気量ではなくkWで区分されます。kWでも最大出力ではなくて定格出力というものになります。1kW = 1.36ps換算です。こうやって見るとだいぶ低く抑えてあるなあというイメージ。

じゃあ世の中の電動バイクがどのくらいの定格出力あるのかですが、分かる範囲で調べてみました。電動バイクスペックには定格出力と最大出力があって、分かる範囲で分別したのがこちら。

定格出力と最大出力の定義ですが、定格出力はモーターが連続で発揮できる出力のこと。最大出力は一瞬でもいいので出せる最大値。モーターもエンジンと同じ発熱するので連続稼働が難しいそうで、BMW C EVOLUTIONやMotoEは冷却液でモーターを冷やします。もっと強力に冷やせれば定格出力上げられそうな気もしますが、免許の区分は定格出力で判断されるので、普通二輪免許に収めたいから敢えて定格を抑えているのもあるのかもしれません。

ところでエンジンだと馬力とトルクという考えがあって、馬力は一緒だけどトルクが違うというのがありました。250ccの２スト４ストのように、どちらも45馬力ですがトルクは２ストのほうが高くて、２ストのほうが小排気量だけど速かったです（軽かったのもあって）。

昔の鈴鹿４耐は４スト400cc対２スト250ccという構図でした。馬力で言えば59ps対45psなので４スト有利なのですが、トルクはどちらも3.5kgfm前後。当初２ストは耐久性に劣ると言われていましたが、次第に２ストが優勝するようになっていきました。

そもそも馬力はトルクに回転数を掛けたものなので、４ストのように回転数が高い方が馬力が大きく見えます。これと同じことがモーターでも起こるんだろうと思ってて、kWは馬力と同じ仲間の単位（仕事率、1kW = 1.36馬力）で高回転型モーターのほうがkW高くなるはず。トルクはそうはならない。つまりkWが同じでもトルクの大小というのが出てきて、レギュレーション上は「10kW以下」とかなっていても10kWを越えないように（回転を抑えながら）トルクを稼ぐというチューニングに行くのか？

ガソリンエンジンの場合は249cc以下ならば何してもいい（レギュレーションの範囲内で）ので、純正で41psがチューニングの結果45psになってもレギュレーション違反にはならないんですが、電動バイクの場合は「排気量」ではなくて「出力」でクラスを規定することになると思うので（私の単なる推測です）、どうするんでしょうね。チューニングの結果、規定のkWを越えたら出られなくなる？？

これってレースだけじゃなくて公道でも一緒だなー。エンジンの排気量上げると違反になる場合がありますが（124ccを150ccへボアアップとか）、排気量が同じであればマフラー変えてps上げるというのは合法。でも電動バイクの場合は出力のkW自体で免許の区分を分けてるので、パワーアップすることで違反になる可能性あるということですね。

電動バイクだとエンジンもマフラーもないので出力上げようがないかもですが、このへん整理しないと電動カーレースってなかなか難しそう。モーター出力ってバッテリー電圧に直結してるとも思うし、バッテリーの最適化で出力も上げられそう。ラジコンでもそうですが、満充電直後のバッテリーだとキビキビ走りますが、そのうちにバッテリーを消費して電圧が下がって少し遅くなります。それと同じくバイクも走ってるとだんだん遅くなるのかな。

そもそも電動カーレース自体すぐには行われないと思うので、私がバイクレースしてるうちは気にしなくてもいいかもしれませんが（笑）