タイヤの皮むきってどの程度やればいいの?
「新品タイヤなんで、最初しばらくは気をつけて走ってくださいね」
タイヤ交換後に言われる定番のフレーズ。新品タイヤは滑りやすいんです。タイヤ表面を一皮剥いてからが本来のタイヤグリップが発生します。
皮むきの終わったタイヤをよく見てみると、中央からエッジにかけてテカテカしていない部分と、エッジの部分に少し残ったテカテカした部分(アマリングなんて言ったりしますが)があると思います。スポーツ走行してる方だったらきっちり端っこまで使い切るのでこのリングは残ってないです(特にリア側はフロントより早くエッジまで使い切ると思います)。
↓交換直後のタイヤはこんなにテッカテカ。皮も剥けてなければ、油脂成分が乗っているのでテカっています。
↓そしてこれが完全に剥けた後
↓フロントは少し余りングが残ってますが、フロントはなかなか端っこまで使い切るのは難しいかなと。乗り方やセッティング次第で無くなる時もあり。
で、最初のフレーズ「最初しばらくは気をつけて」という件、いったいどの程度気をつければいいのか??? 私も最初のころは全然検討が付かなくて、、、どうしたもんかなと思ったものでした。
結論から言えば、乗り方にもよりますが、直線や交差点がいい感じで存在する街乗りだったら大体10キロ?くらい慎重にのればいいんじゃないかと。そうすれば普段よく使う部分はひととおり皮剥けます。
直線がほとんどです~という方は20~30キロくらいが目安かなと思います。
繰り返しますが、乗り方によるので、、、あくまで目安で! 特に雨の新品タイヤは思った以上に滑ります。新品、雨、低温、3拍子揃ったらもう最悪です。
逆にダート等に入ってしまえばあまり関係ないんですが(そもそも滑るので)、バイク屋出てすぐダートなんて環境はないと思うので。。。
さて皮むき事情はサーキット走行でも同じで、やっぱ最初は皮剥きをしますが、タイヤは皮が剥けた直後が最もパフォーマンスが高いので、サーキット、特にレースでは新品タイヤで出ることがほとんど。レベルの高いレースになると予選はもちろん新品タイヤ、そして決勝も新品タイヤというのが定番です。お金いくらあっても足りないですね!
でもそうすると当然「皮むき」なんてやってないタイヤで本番に挑むわけです。じゃいつ皮剥くか?というと、これはもう予選とか決勝やりながら剥くしかないです。
サーキットでいきなり新品タイヤで走る場合に行えることは2つ。まずタイヤ表面の油脂取り。ほんとに新品タイヤだと油脂が乗っかっててっかてかだと思います。これを「パーツクリーナー」を使って落としてやるという処理。これをすると皮を剥くまではいかないんですが、皮の上に乗っかってる油脂を取れるのでだいぶマシになります。バイク屋で新品交換直後は油脂も乗ってるので、なので「最初しばらくは気をつけて」というご案内になります(気の利いたショップだと油脂取ってくれた状態で渡してくれるかもしれません)。
やり方は簡単で、パーツクリーナーをペーパータオルに吹きかけて、タイヤ表面をこするというかなぞるというか。スタンドがないとかなりやりづらいですが、これは私のような草の根ライダーでも出来るのでもしスタンド持ってらっしゃる方ならオススメです。
もう一つは乗り方の意識。油脂を取ってるといっても皮はしっかり残ってるわけで、そんな状態でサーキット走ったことなかったんですが、そのときに諸先輩から言われたのは「もわーっと乗ってください」というアドバイス。なんだ?もわーっと乗ってくださいって?? とツッコみたくなりましたが、要するに攻めるわけではなくゆっくり走り、意識的に少し多めにバンクさせて皮を剥くということ。スピードは乗ってないのでそれほどリスクも多くなく、その状態で筑波だったら3周くらい走って、4周目から徐々にペースを上げていくというのを意識してやってます。
他にもいろんな「走る上での気をつけ方」があって、人によってオレ流剥き方があると思いますが、要するに「皮を剥くまではペースを上げない」というのは公道でもサーキット上でも一緒ということです。