車載カメラに写っちゃうリスク

つい先日、岡山国際サーキットで死亡事故があったようですね。重大事故については以前「サーキットでの死亡事故を考える」でいろいろ書いてるのでここでは深掘りしませんが、今回は、いまやほとんどのサーキットライダーが付けてるであろう「車載カメラ」について。

最近では一般道のいわゆる「あおり運転」対策として車載カメラが一気に普及しましたが、2015年ごろからサーキットの「車載カメラ搭載」の割合も増えてきました。今なんてそこそこ写る中華製GoProもどきが5,000円くらいで買えるわけで、仲間内ではむしろカメラ付けてない人を探す方が困難な状態。

サーキットのカメラ搭載はなんといっても自身のライディングの向上につなげたいため。もうこの一心だと思いますが、転倒がつきもののサーキット走行としては、副次的ですがその「決定的瞬間」を記録してくれます。

この転倒が自分のテクのせいで単独転倒だったらまだ平和なんですが(本人は全然平和じゃないけど)、、、他人からもらったとか、他人にぶつけてしまったとかいうともうざわざわしまくり。特にレース本番だと転倒リスクも上がっていくので、どうしても車載カメラの「証拠的要素」がぐんとあがります。

つまり、自分たちの走行が第三者のカメラに写っている可能性がぐんと上がっているということ。ちゃんと統計調査したわけじゃないですが、かなり多くのバイクにカメラが付いていて、意図的であろうがなかろうが、第三者が証拠を押さえてしまうことがあるわけです。

そうすると一般道の「あおり運転」じゃないですが、車載カメラの「証拠」が口コミや、最悪SNS等でも公開されかねないという状況。もちろん本人に断り無くSNSにアップロードすることはダメですが、それが出来る環境と証拠がある昨今では、「他人に迷惑かけず楽しむ」ということをとことん追求しないと、と改めて思う次第です。

先日のアメリカズGPのMoto3決勝で、デニス・オンジュ選手の急なライン変更による多重クラッシュで、デニス・オンジュ選手は2レース出場停止が決定しました。ペトロナス・ヤマハSRTへ復帰しているドヴィツィオーゾもこの「過度なアグレッシブさ」に苦言を呈しています。その模様が国際映像でバッチリ「証拠映像」として撮られてしまっているのもあって、デニス選手がどれだけ急にライン変更したかがよく分かります。

これはMoto3という世界の話ですが、「サーキット・事故・証拠映像」という3要素は我々アマチュアでも該当する項目。ということは他人事ではないと思うわけです。別に「撮影されてるから他人に迷惑かけないでおこう」と言うわけではなくて、撮影されてようがされてなかろうが、とにかく安全、他人に迷惑かけないで、と思います。

こう書いたのも、この数年の間にも「他のバイクに強引に入られた」「ぶつけられた」とか「もらい事故」とかいうのを仲間内で聞いて、かつ車載カメラでその瞬間を撮ってたりするので「ほら見て、こんな具合、ひどいよね~」とかいう話につながりかねない。これは本人も相手も良い気分にならないと思うんです。

ちなみにレース本番でも車載カメラを搭載すること自体は禁止されてません。一方で、動画が過度の「証拠」に取り上げられないように、例えば筑波TTの特別規則書には下記の通り「競技の抗議資料としての利用は一切禁止される」と但し書きされています。

そりゃそうだよなー、いちいち動画見て審議なんてやってられないよなーという思いと、「ビデオチャレンジ」が導入されるスポーツも多くなってきたので、もしかしたら今後いつかビデオ判定が地方選にも導入? 手間を考えると現実的じゃないですかね。

いずれにしても車載カメラ搭載というバイクの台数はもう減ることはないし、おそらく今後は「車載カメラ標準搭載」とかいうバイクも出てくるでしょう。ますます記録されるチャンスというかリスクは上がる一方なので、お手本となるようなプレイで楽しみたいものです。

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