車体の動きの素早さを変える
これはサスの「ダンパー」に相当する部分の調整になります。減衰を上げると動きは遅くなり、減衰を下げると動きは速くなります。
基本的に動きが速いほうがよくサスが動いているのが分かるためか安心感がありますが、筑波で言うとアジアコーナーの切り返しでふわふわするとか、最終進入でふわふわするとかいう現象が起こりやすいです。こういう時は減衰を上げ、車体を落ち着かせます。
バイクの動きが遅いと単純に凹凸をとても拾いやすくなってしまいます。筑波2000はすごく綺麗な路面ですが、そうでないサーキットもあります。筑波1000は2000と比較するとちょっと荒れてますね(それでも綺麗な方だと思います)。
スーパースポーツ系だと減衰も「伸びるとき」「縮むとき」独立して変更できたりしますが、基本は「伸びるとき」を調整します。バイクはサスが伸びると荷重が抜けます。例えばエレベーターの降りるときを想像してみてください。このとき荷重は抜けています。バイクで言うと切り返しの時は一瞬荷重がとても抜けます(中立あたり)。抜けるのはもう防ぎようがないのですが、問題は抜ける「スピード」で、これが速いと一気に抜けてしまい、転倒リスクにつながります。そこで荷重を抜けにくくするために減衰を上げていきます。エレベーターで言えば、降りるスピードを遅くするというイメージです。
逆に縮むときは荷重が抜けるのではなく荷重をかける方向にいくので、タイヤは基本的にグリップが上がる方向になるため、伸びよりあまり気にしないことが多いのだと思います。