ミシュラン POWER CUP 2 インプレ

去年主に使っていたメッツラー RACETEC RRから、ミシュランPOWER CUP 2に履き替えまして、先日筑波を走ってきました。早速インプレです!

「え、お前、次はダンロップ SPORTMAX Q4って言ってたじゃん!!」ってツッコミが来そうですが、そうです、買う時になってミシュランへ行ってしまいました(笑) いつもお世話になってるスピードスターにて

「SPORTAMX Q4にしたいんですけど・・・」

「あー在庫ないので取り寄せですねー」

とのお返事。

「逆に、最近出てるのなんですか??」

「最近はミシュラン POWER CUP 2が多いですよ」「暖まり早くてライフ持つので、リピートしてる方も多いです」

なるほどー、ミシュランのPOWER CUPって、あの独特の「てんてん」パターンのやつね。それの2が出たそうで(といってもだいぶ経ってますが)、公式サイトで見てみるとなんとも攻撃的なパターン! サイドは完全スリック状態。なるほどー、これは面白そうだなーと。でもちょっと気になる

「絶対グリップはスーパーコルサやRACETECには劣りますけど」

というコメントもいただいて、うーむそうなのか?? うーん、でもサイド完全にスリックなこの攻撃的なパターンでほんとに劣るのか???とかいう、その道のプロの方の意見を全く信じてない自分にもあきれますが(笑)、ものは試しで買ってみようと思って今に至ります。

ちなみにSPORTMAX Q4はやっぱだいぶ固いそうで、ダンロップの触れ込み(「USダンロップがスリックタイヤ・テクノロジーを駆使して開発」)通りアメリカのようなサーキットだと効果が高いのかなと。そもそも「アメリカのようなサーキット」というのもよく分かってないんですが(笑) おそらく平均スピードが高くて、路面も日本よりグリップ低いのかなと勝手に思ってます(あくまで個人の感想)。

というわけで、この攻撃的なパターンのタイヤの感想、いきます。

ミシュランタイヤを履くのはもう10年以上ぶり、かつ以前はパイロットロード2(だったかな)なのでそもそも比較出来ませんが、POWER CUP 2はかなりグリップします! 少なくとも私レベルではスーパーコルサとのグリップどっちが上かなんて分かりません

特にリア! もう「のり」かなんかで路面とくっ付いてるんじゃないかくらいの気持ちにしてくれるようなグリップ感。全く滑る気しない。限界めちゃくちゃ高そう。この限界を確認するのがむしろ怖い(笑) こんなんで滑ってハイサイドなんてなったときが逆に怖いと思うくらい。

それもそのはずで、POWER CUP 2は最近のMotoGPや全日本のスリックで一般的になりつつあるいわゆる「低圧タイヤ」。公式サイトに推奨空気圧が載ってますが、フロントこそ2.4barですが、リアはなんと1.7bar(温間時)。相当低いです。私はピレリだとだいたいフロント2.0、リア1.9を中心に上げたり下げたりしますが、リア1.7なんてしたことないし。

ちなみにダンロップスリックだと1.4bar(おそらく冷間)。温間だと1.7とか1.8?

ブリヂストンスリックだとリア1.8bar(温間時)

となっており、温間時2.0barを切るのが一般的。ただしスリックなのでそもそも構造が固いというのもあり、単純にこれらを公道走行可のタイヤに適用は出来ないとは思いますが、そんな中POWER CUP 2はリア1.7barを推奨してきているわけです。

空気圧が低いからか、POWER CUP 2という銘柄だからか、はたまた単に新品タイヤだからか(すべてかもしれませんが)、とにかくリアの接地感、どっしり感がものすごいです。その分バイク操作は重くなります。安定感がものすごいです。人によっては柔らかすぎて「ぐにゃぐにゃ」に感じるかも

そしてもう一つ、フロントは2.4bar入れるので、前後の差が0.8barもあります。こんなに差を付けて乗ったこともなくて。で、こんなに差が付いてると何が起こるかというと、フロントが上がってリアが下がるんですよね。最初乗り始めの時に「グリップすごいなー」というのと同時に「あれ? 自分のバイクってこんな前上がりだったっけ???」とも思って。もちろんストトリなので前上がりなんですが、にしてもこんな上がってたっけ? 気のせいか?? なんて思ってたわけですが、2本目走って「あーやっぱリア下がってるわ、これ」と思ったのが、今まで擦ったこと無いブレーキペダルを擦り始めて。

まーそりゃそうですよね。フロントはいつもより高くて、リアはいつもより低いんだから、静止状態でもリアが下がってるうえ、荷重かかったときにリアはさらに潰れ、ブレーキペダルを擦ってしまうという。

これを解消するにはリアを上げていくことになるんですが、もうすでにサス上にワッシャー2枚挟んで上げてある状態なので、もうあと1~2枚挟むの~?? 挟まるのかな??ボルトの長さが足りなくなってしまうんじゃないかなと。

そもそもそんな上げて、ストトリのディメンション設計とどんどん大きく変更する方向にいっていいのか??

ですが、このものすごいグリップ感は捨てがたいし、またフロント荷重もかなりがっつりかけてもびくともしないし、あとこれも気のせいかもしれませんが、これまでよりもコーナーリング中のフロントブレーキをより強くかけてもまだまだいけるよ!と言ってくれている気さえします。もしかしたらこれはリアのどっしり感から来てる「安心感」で単にそういう気持ちにしてくれてるだけかもしれないので、これだけで単に「フロントもいい!」とも言い切れないかもしれませんが、MotoGPタイヤサプライヤーという立場からの良い感じのフィードバックが来てるのかなーなんて勝手に想像しています。

タイヤ全体の固い柔らかいで言えば「柔らかい」部類。ダンロップやBSとは違ってピレリに近いです。だらーっと曲がっても曲がってくれます。しかしリアがかなり低圧だから積極的にバイクを操作しないと「重いバイク」という動き方になるので、1000ccクラスだと自重も重いのでもしかしたらより積極的にバイクを操作しないといけないかも。

タイヤそのものは、なんでもここ10年20年くらい前に比べると全体的に柔らかい方向に行く傾向があるそうで、以前乗ってた方に聞くと「最近のタイヤは柔らかいよね~ パンクしてるかと思うよ(笑)」なんだとか。逆に言えばこれで乗りこなせるようになることが速くなるための秘訣かも。

サイドはこんな感じでほんとにスリック状態。スリップサインどこ?? この穴ぽこなんでしょうか。 でも穴はかなり深いのでなんとなく穴の半分くらいがライフかも。いちお中央部の溝にはスリップサインありますが、サーキットユースだとそこはあまり当てになりません。スリップサインでの管理ではなくて走行時間での管理ですね。

このタイヤは公道走行可なので、自走の方にももってこい。自走時はリア1.7なんて低すぎるので2.5くらいまでですかね、入れて、サーキットで抜いて走るということになります。

今年はこのタイヤで行ってみたいと思います! リアを上げないとなー。フロント下げるのもすでにやってるしなあ。車高調整ショックほしいなあ(笑) 新しいものを取り入れようとすると、それを支える周りの仕組みもアップデート必要。

「ライフが長い」というちまたの評判はいかほどか? タイヤ摩耗とグリップ劣化はどんなもんかについても確認したいと思います。

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