ヤマハの電動化計画が発表されました

「電動化」「EV化」という波はもはや全世界的な動きとなってる一方で「排気音が聞こえないバイクはさみしい~」「レースが盛り上がらない」とかいうノスタルジックな意見もよく分かります。自分自身もそう思いますが、でももうこれは業界の決定事項なのでガソリンエンジンは確実に減る方向。

ただ、「バイクをEV化しても二酸化炭素の排出削減効果ってどうなの??」と思ってる方も多いんじゃないかと思います。もっと他に削るべき分野、業界があるのでは??とかとか。

そんな中、ヤマハ発動機から具体的な削減目標が出てきました。2050年までにEVの比率を90%まで引き上げるとのこと。

90%なのでおそらく一般販売車両はすべて電動となって、一部競技用でエンジンが残るのかな。

2050年て今から30年後、そんな先の目標を立てられるだけでもすごいなーと。今の20代の従業員が重役に就く頃ですよね? 私も30年後に生きてるかどうかすら怪しい(笑) ま、もし順調に歳を重ねることが出来たなら、そのころの市販バイクはすべてEVとなってて、家やマンションでの充電インフラも整ってて、1回の充電で300kmくらい走るようになってるんですかね。

ヤマハ発動機の発表を少し具体的に見ていきます。

まず第一の疑問、そもそもバイクの二酸化炭素の排出量って全体のどれくらいなの?? という点ですが、同発表資料内のグラフから、全世界の0.06%がヤマハがかかわった排出量だそうです。0.06%という数字だけ見ると相当少なそうですが、母数は世界のCO2排出量なので335億トン * 0.06% = 約2千万トンとなります。2千万トンと聞くと多そうに聞こえますが、他メーカー、他分野の比較データもないので、多いとも少ないとも判断つけられないです。

じゃ、この0.06%の内訳は?ということですが、これも同資料に情報があります。8割強が「販売した製品の使用」から生まれるとのこと。つまりエンジンを使用することで発生する二酸化炭素ということですね。さらにそのうち二輪車エンジンが6割強占めているとのこと。

となるとやはりヤマハ発動機にとって二輪車エンジンをEV化することは大きな意味合いがあるようです。ホンダやスズキは4輪があるのでもうちょっと変わると思いますが、傾向としては同じようなのかなと思います。

さて2032年ごろからEVの比率がぐんぐん上がりはじめるようで、どの製品からEV化されていくのか興味がありますね。中型大型バイクのEV置き換えはいつ頃からか、またどういう仕様になるのか大変興味があります。ICEというのが内燃エンジンで、BEVがいわゆるEVです。

また下記のグラフも大変興味深いですね。これは「二輪は四輪に比べて二酸化炭素の排出量がうんと小さいですよ、バイクって環境性能良いですよ」ということを表しているグラフで、確かに四輪に比べて70%ほど排出力が少ないと言えますが、個人的に興味深いのは、ICE(内燃機関)->BEV(いわゆるEV車)への変換を行っても二酸化炭素の排出量の削減って意外と少ないんだなーという点。四輪二輪いずれも20%程度の削減量なんですよね。半分くらいになるのかと勝手に思ってました。

モーター駆動になるので走行時の排出量は圧倒的に減るものの、代わりにエネルギー製造時の排出量がどんと乗っかってくるためです。「EVって発電時に大量のCO2を排出するんでしょ??」という疑問はかねてからありましたが、こういうふうに具体的なグラフで見たのはこれが初めてかも。こう見ると「EV化によるCO2削減の前にやることあるんじゃないの??」という批判的な意見も納得しますよね。

いろんな考えがあると思うんですが、私は「業界固有の課題はその道のプロ、エキスパートが解決する」という考えでして、「発電時の課題は発電業界で考える」と考えています。「他人に押しつけてるだけじゃん」と言われればそれまでですが、、、餅は餅屋、アマチュアが考えてもその道のプロには到底及ばないと思ってしまうので、発電の改革、バッテリーの改革をその道のプロの方々が進めれば発電時のCO2排出量は減るのかなと期待してます。

ヤマハ発動機はこう発表し、ホンダも2040年までに四輪車すべてEV化すると宣言してます。大きな業界の変化ですね! これまでのクルマやバイクという考え以外の移動手段・移動機器も生まれるでしょう。それはそれで見届けたいですね。

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