筑波TT in September 2019 振り返り

予選(WET) 1’12.761 12位(全13台)
決勝(DRY) 1’06.406 11位(全13台)

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いやーきつかった。これまでのレースのなかで最もきつかったなあ。でも得るものも多かったです。

予選
過去のドゥカティカップも含めて幸いにもいつもドライでした。「いつかはWETになるんだろうなあ」と思いつつも、今日も晴れてよかった〜 などと思っていたら、まさかの雨。小雨なんですがこれでも立派な雨で、路面は完全ウェットに。

私は資金も潤沢にあるわけではないのでレインタイヤの用意はなく、「雨降ったらレースを諦めよう」というスタンスで考えて、いつも晴れてきたのですが、ついにその時が来てしまいました。土砂降りなら諦めもつくのですが、小雨かあ。しかも決勝はほぼ間違いなく晴れるだろうという読みのため、とりあえず転ばない程度に走ろうと決意。

で、長年の疑問だった「雨降ったら他のライダーはどうするんだろう???」という疑問の答えも分かりました。つまり、みんなレインタイヤ用意してるんだっけ?ということ。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、レインタイヤって高いんですよ(笑) そしてライフもものすごく短い。当たり前ですが。柔らかくしてグリップさせようというものなので。かつレインタイヤの準備をするためには大抵ホイールから用意します。つまりホイールも買わないといけないということ。かつスプロケットやブレーキディスクまで付いているのが理想なので、そうなると雨対策だけで20万円ほど?(もっと?)かかるわけです。1年で1回使うか使わないか分からないもののためにそこまで準備できないし、みんなどうしてるんだろう?? という長年の疑問がようやく解決。全車確認したわけじゃないですが、ほぼ全員レイン履いてました。そうかー、なるほどー、レースに出て上位に入るということは、このへんまで準備しないといけないのか。うーん悩ましい。

というわけで、ほぼ私一人ドライで予選に挑むことになりました(もう1台のストトリの方もたぶんドライだったかなあ)。出来ることなら走りたくない〜 「雨の日走らないでね」と書いてあるR11の誓約書にサインしましたが、走ってるよそれで(笑) ABSはオンにし、もうとにかく予選落ちしない程度におそるおそる走り始めました。

で、何周か走ってるうちに「ん? 意外とグリップするぞ」というのと、雨が徐々に止んできたのあって、部分的にドライの一歩手前くらいまできました。2ヘアだったら膝も擦れるほどバンク出来て徐々にペースを上げていったのですが、そこで予選終了。

これも経験ある方なら分かると思いますが、乾き始めの路面ってどこが乾いているか分からないんですよ。

と、ここでクイズ。下記2枚は、走り始めと最後の写真ですが、上下どちらが走り始めだか分かりますか?

正解は、下側が走り始め。

ご覧の通り色が変わっているのは分かると思いますが、それが「乾いて変わっている」のか「まだ濡れてて変わっている」のかがまあ分かりづらいんです。アジア進入はだいぶ回復してますが、自分の薄い記憶ではアジア立ち上がりの左側ってなかなか乾かないんですよ。下記がそれですが、この色の変わっているのは「まだ濡れていて変わっている」というところです(おそらく)。

こんな感じで徐々にコンディションが変わっていき、レインタイヤだと路面の変化により幅広く対応してくれるので進入も立ち上がりもだいぶ思いきれますが、ドライだと進入立ち上がりおそるおそる走るという感じでした。

こんなのを見極めながら走らないといけなくて、予選は12位で終わりました。まあでもこけるよりは良いかなと。

決勝
決勝は予想通り晴れ。今回のレースの向き合いも「ベストタイムを出す」とかいうものでないのもあり、予選13台中12位だし、目を三角にすることもなく余裕を持ってグリッドにつくことができました。

スタートはいつも何台かパス出来ていたので、この日も3台くらいは抜けるかなと思ってスタートしたら思いのほか前に行き、結果6台パス。ん? あれ? なんかだいぶ前に来てるぞ、、、、とか考えていたらレコードラインにうまく乗ることできず、外側に外して走ってたら気がついたら最下位(笑) え? あれ? あーやっちゃったあ〜 スタートで6台抜いて、1ヘアまでに7台抜かれました(笑)

これ、自分の性格のまんま現れだと思います。練習走行でもそうなんですが、自分の周りにごちゃごちゃいるとつい避けて「お先にどうぞ」ってやっちゃうんですね。それが決勝でも出てしまい、ラインに入ろうと思えば入れたのですが、「後ろからさしに来てるかも」と思ってそこに入らず、後続がどんどんきて気がついたら最下位。うーん。レーサーは基本「負けず嫌い」とはよく言いますが、まさにそれだなと。「次でいいかな」と思ってしまうと今回のように刺されてしまうことがよく分かりました。

でもそのおかげで?さらにリラックスして走ることができ、「こっからどうすっかなー」と考えながら走れました。まずは目の前のストトリをパスしたいのですが、特性が同じバイクなのでなかなか抜くことができず。そしてここも性格が出てるところです。練習走行でもよほど抜きやすいとき以外はパッシングをしてこなかったのですが、練習走行でやってないことを本番でできるはずもなく、そのまま周回は過ぎていきます。いろいろラインを変えてみて「今だ!」というチャンスが現れて、ちょっと引っ張って前にでて、そのままパス。

さてこの次はと先を見ると、うんと先に1台見えます。

「うわあ遠いなあ」と思いつつ何周か走りつつ、バイクのセッティング不足についてもよくわかってきました。本番中に確認するなと自分に言いたいですが(笑)それほど準備不足という現れですね。

さてそんなことを考えながらなんとか後ろまでつくことができましたが、ここでもパッシング問題。国産4発は直線が伸びるので、抜くためには1ヘアあたりで抜いておかないと直線でパッシングされ返されます。

何周か後ろについてどんなラインで走るのかを見極めつつ、困ったなあ、抜けないなあ、あと何周あるんだっけ?? レースではいつも2ヘア立ち上がりでアジアコーナーポストを見るようにしていて、あそこが「イエロー静止」(つまりトップがゴールしているという意味)を出していると今自分は10周目。「まだ出てない」というのを確認しつつ、でもそろそろ9周目くらいだよなと思って、最終コーナー外側からまくろうと思いましたが、不発。ただ相手はそのあとのストレートが伸びなかったようで、1コーナー進入で外からパスすることができました。ここでパス出来ればあとは追いつかれることもないと思い、全開全開で走って、そのままゴール。なんとか11位で終えることができました。

総評
今回は「レースに出ること」に対する考えというか、心構えというか、「レースに出るっていうのはここまですることなんだ」というのを知るいい機会となりました。草レースとはいえみなさん本気でタイムアップ、表彰台を狙ってきていて、環境の変化、コンディションの変化にもできるだけ追随していこうというのを感じることができたいい機会でした。

ウェットに対する準備、他者とバトルするという意味、上手なパッシングなど、レースに勝つためにどこまで準備をするかというのが勝敗を握るんだと改めて認識。もちろん事前の練習走行でマシンをどこまで仕上げるのか、等。

その一方で、じゃあ自分はどこまで準備するんだっけ?できるんだっけ?というのを改めて問ういい機会になりました。まだ終わったばっかなので早過ぎますが、来年もおそらく出ると思うので、どこまで準備するんだろうと。お金どこまでかけるんだっけ??? 相手に競り勝つには転倒リスクも高まる方向に行くよなとか。ただ今回のレースで、少なくとも他のライダーはだいぶ自分の先をいって準備してるなというのが分かりました。この方々と競り合うレースをするのなら自分もそれなりに準備しないと。逆に自分が楽しむというモードならば今のままでもいいだろうけど、決して上位には行けないというのも改めて理解。

何度か書いてますが、個人的には「レースに出る」ことはあくまで通過点で、その先にはバイクをもっと知りたいというのがあります。でも出たからにはそこそこいい結果を残したい・いい結果を見てもらいたいというのも正直あります。自分なりの落とし所を見つけて、来年以降のレース計画を立てたいと思います。

そのほか、初!ストトリ2台で出られたのもよかったし(決勝終わってから少しお話も出来ましたし)、あとで別途書きますが、520チェーンコンバートもやっぱプラスに効いてる模様。SC-PROJECTの日本代理店iMotorcycleの方から「いい音してますね」と声かけてもらい思いがけないパスが出来て、これもレースに出たからこそかなと思います。

会場でお声がけくださった方々、当ブログにコメントくださった方々、またお手伝いくださったみなさま、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

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2件のフィードバック

  1. お疲れさまでした。僕も予選はスーパーコルサで出ました。路面が乾いてそうな所と完全ウェットな所があり、出て行ってすぐの時には「こんなのどうやって走るんだよ~(泣)」状態でしたが、走りながらブーツで直接路面グリップを確かめて攻められるラインを探しました。決勝は自己ベストどころかここ最近の練習のタイムにも及ばずなんとも不甲斐ない結果でしたが、デビュー戦大きなミスもなく無事終えることができました。
    テリーさんのブログをバイブルにして自走で一年ちょっと筑波に通った成果が今回のレース結果です。このブログはこれからサーキット始める人にとって本当に役に立つブログなのでこれからも更新をお願いします。

    • こちらこそお疲れ様でした。ウエットは難しいですよね。ぶっちゃけ出ないでおくという選択もありましたが、ブログに書いたように午後は晴れだし、でも結果転倒もせず走り終えられてお互いよかったですね。転倒するともう気力も財力も持ってかれますからね(笑)怪我のリスクももちろんありますし。デビュー1年でレース参戦・完走は十分な結果だと思いますよ!

      「バイブル」だなんてめっそうもないですが、でも私がどんな感じで苦労してきたかというのを文章にすれば私と同様のお悩みを持ってらっしゃる方のお役に立てるかもなあ、というのでやってきました。59秒とかで走る方はそれを自己解決するんでしょうが、世の中そういう人ばっかじゃない(自分含めて)。また今後ともよろしくお願いします!今年もだんだん涼しくなってきましたが、筑波にはこれからも通いますので、お目にかかった際にはどうぞよろしくお願いします。

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