メッツラー レーステック レビュー (METZELER RACETEC RR)

細々とやっているこのタイヤレビュー、タイヤはライダーの関心も高いと思うのでなにか少しでも役に立てばと思ってこれからも細々と続けていきたいと思います。

今年はコロナの影響もあってレース参戦はしなかったんですが、2019年7月に入れたブリヂストンR11がさすがにだいぶ減ってきたので、先日入れ替えてきました(R11のレビューはこちら)。何にしようかなーといろいろ考えていたんですが、選んだのはメッツラー レーステックです。初めてのメッツラー、どんな乗り味なのかという興味だけで選びました(笑) ピレリとメッツラーは同じ会社です。1986年にピレリがメッツラーを買収したのですが、いまだに両ブランドリリースし続けています。そのピレリも2015年に中国の中国化工集団に買収されたんですが、それでも両ブランド残ってます。

レーステックもコンパウンドを選べるようになっていて、スーパーコルサと並べると

  • レーステック K1 – スーパーコルサ SC1
  • レーステック K2 – スーパーコルサ SC2
  • レーステック K3 – スーパーコルサ SP

という感じ。スーパーコルサには一部サイズでSC0というのがありますが、レーステックでSC0に該当するのはなし。

いつもお世話になってるスピードスターの店員さんにいろいろ訪ねてみると、

  • レーステックですか(めずらしいの行きますねーという声色)、乗り手を選ぶようで、合う人はこればっか選んでます
  • レーステックは硬いですよ。あ、でもいまR11乗ってるんだったらそれよりは柔らかいです。スーパーコルサよりは硬くて、スーパーコルサのふわふわ感がなじめない方はこちらが合うようです
  • 路面温度が低いところが強いと言われてます(R11はかなり温度依存性が高かったのでここ期待ポイント)
  • 在庫はないので取り寄せです(←つまりあんまり人気はないみたい。スーパーコルサで在庫ないと言われたことはないです)、でも数日で入りますとのこと
  • (去年スポルテックM9出ましたよね? 新しいタイヤのほうがいいですかね?と聞いたところ)確かに新しいですが、乗ってみると「あーやっぱストリートタイヤだな」って思うと思いますよ。ウォーマー巻かずに乗るんだったら選択ありかもしれませんが、ウォーマー巻きますよね?熱が入った時のグリップはレーステックですよ(まそりゃそうだよね)
  • これから(秋冬)乗るんですよね?K1はソフトで路面温度低め向けですが、K2に比べて剛性も高いので、暖まりは遅いです。K2のほうが暖まり早めですし、冷めにくいです。絶対的グリップ力は落ちますが、寒い時期も乗るならK2/K2のほうがいいと思いますよ。ピレリもそうですが、SC1のほうが剛性高いので同じような傾向にあります

ふむふむ、なるほど。確かに人気はないようで、5年くらい前だったら筑波のエントリーシートにもMZ(メッツラーの略)をよく見たんですが、最近はPI(ピレリ)、DL(ダンロップ)、BS(ブリヂストン)ばっかです。ST600はBSワンメイク、JP250やCBR250R Dream CupはDLワンメイクで、もはやレース界において海外ブランドは少数派。その中のさらに少数派なのでだいぶレアな選択です。まーでもなんと言われようと「履いたことないし」という興味に勝るものなし(笑)。

コンパウンドは助言通り、フロントリアともK2を選択。スーパーコルサの時はSC1/SC2という組み合わせで乗ってましたが、確かにSC1もSC2より剛性高いと言われていまして、がっつり攻める方はSC1のほうが向いているよねと言われてます。でも確かに言われてみれば剛性高い分、暖まりにくいですよねー

ちなみにR11はもっと硬くて、乗り方も結構加重かけて回らないといけないんですが、寒いときに乗ったときほんと「え?」ってくらい滑りやすかったので、、、(まー寒いときに乗るなということなんでしょうが)、剛性の高さと温度依存性というのは確かに相関あるのかも。

で、先日もてぎ、そして袖ケ浦を走ってきましたのでインプレを。そもそも今年は走行回数も少なくペースもぐんと落ちるので、どの程度信頼出来るインプレになるか分かりませんが。。。

乗った瞬間思ったのはやっぱ「わ~柔らかい~」。これに尽きますね。空気圧はウォーマー使用でフロント2.0, リア1.9。もてぎはあいにくの雨模様となり(今年は雨が多い)、走行後は温度さらに下がってしまいましたが、最初数周のイメージではとにかく柔らかくぐいぐい曲がっていくイメージ。「荷重をしっかりかけて」とか考えなくてもフロントから入っていきますし、ぐっと荷重載せると載せただけ食いつきも良くなるイメージ。

4本走行後のフロント。

同じくリア。このエッジの筋みたいなのはなんだろと思いますが、比較的さらっとした表面。

R11の場合は結構しっかり荷重かけないとフロントが逃げるような感覚があり(実際に逃げてるかどうかは正直分かりませんが)、割とクイックにバンクさせるとか、フロントブレーキをぎゅーっとかけて回るとかしないと「回ってる感」が少ないですが、レーステックはそんなこと意識しなくても曲がってくれます。

まるでピレリを履いているような感覚で曲がってくれるんですよね。そう、この感覚ってスーパーコルサそのものなんです。柔らかめ、だらーと曲がってもクイックに曲がっても曲がってくれる、タイヤがサスのように機能してくれて不安がない、などなど。さすが同じグループのメーカーだけあります。

となると、、、敢えてレーステックを選ばなくてもスーパーコルサでいいんじゃないか??とも思います。試しにレーステック履いてる状態で「スーパーコルサ履いてるよ」とウソ言われて乗っても違いに気づかないかも。私にとってはそれくらい似ている感覚でした。

スーパーコルサもV3になって、まだ私はV3履いたことないですし、新品のスーパーコルサ履いたのももう3年近く前なのでだいぶ記憶薄れてますが、とにかくそういう印象でした。

温まりが早いという点、それはこれから冬にかけて試してみたいと思います。R11はとにかく温度依存性が高かったから冬乗るのおっかなかったなあ。ピレリは意外と結構粘ってくれました。レーステックはホームページで謳ってるくらいだから粘ってくれるだろうと期待してます。

知人にも「こんなインプレなんですよね~」と話しましたが、その知人もだいたい同じような感想。試しに私のストトリ(レーステック)乗ってもらいましたが、「やっぱタイヤ柔らかいですね~ 柔らかすぎてちょっと驚く」とかいう旨のことを言ってました。その方は今はR10を履いているのでそれもそのはず。

ちなみにR11はR10の後継ですが、いろんな人に聞いても「だいぶ良くなった」と異口同音におっしゃいます。R10はほんとに持ちが悪かったみたいで、新品でもてぎ数周走るともう明らかにグリップ落ちてくるんだとか。私はR10は履いたことないですが、R11ではそこまでシビアなことは無かったと思うけど(ST600な方々と比べたら周回ペースも遅いのでなんの参考にもならないと思いますが)。

ざっくりと言ってブリヂストンやダンロップはハードな部類、ピレリとメッツラーはソフトな部類。ハードだとしっかり操作してあげないと回らないですが、タイヤからの情報入力は多くて操作にダイレクトに反応してくれます。ソフトだとしっとりとした接地感からくる安心感が大きいとか、ちょっとくらいだらっと走ったりサス決まっていなくてもそれなりに曲がってくれるとかいうメリットですかね。

まー、しかしだいたい新しいタイヤ履くとどれもいいんですよ。やっぱ新品が一番いいんです!!(笑) なのでそういう偏見、バイアスがかかってるところも多分にあると思いますが、なにかの参考になればと思い、素人インプレをアップしました。

さて次はなに履こうかなあ(もう次の話???)

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