お金をもらって走るということ
世の中にはいわゆる「プライベーター」という方がたくさんいます。レースをやってる方でごく一握りを抜いては、プライベーターばっか。敢えて言うなら私ももちろんそうです。
私がエントリーしているサンデーレースレベルだったら必要な資金はたかがしれてますが（それでも１レースにエントリーすると、練習走行代、タイヤ、移動もろもろ含めて２０万円～）、年間数百万円単位の出費がかかるであろう全日本でもプライベーターがごろごろいます。
そんな方々に微力ながら個人スポンサーをしたことがあります。スポンサーと言っても個人が出来る範囲って１万円とか。私自身別にお金持ちではないし、「市販のロガーを買うお金がもったいないのでお手製ロガー作る」とかやってる位なので（笑）、出費は抑えたい。でも微力ながらスポンサーしたりするんです。
もちろん「お金をもらって走る」ということはこれまで一度もありません。
一方、スポンサーを募ってるプライベーターからすると、「１円でも多く！」と思っていろんな方々に声かけをしています。
で、いつも思うのが、「個人で１万円支援したところで、いったいどれだけの足しになるのか」とつい思っちゃうんですよねぇ。超現実主義ですが。たぶんこう考えてる人間は「お金をもらってなにかする」というのには向いてないんでしょう（笑）
上でも書きましたが、草レースに出るのでさえ最低でも２０万円くらいかかります。最低レベルで見積もったとしても
- タイヤ（練習用、本番用に１本ずつで１４万円ほど。本番用はさらに予選で１本、決勝で１本とかやり始めるとそれだけで２０万円超えちゃう）
- 練習走行１０本＝3,500円程度 x 10本 = 35,000円
- サーキットまで５往復したとしてトータル1,500km走行 = ガソリン150リットルくらい=25,000円
- 高速料金５往復したとして6,000円 x 5 = 30,000円
- オイルや消耗品等 30,000円程度
合計３０万円くらいですね。訂正します。２０万円じゃ足りないな。
これを年４回やったらそれだけで１２０万円かかります。
１２０万円って、一人から平均２万円支援してもらう計算とすると６０名のスポンサーを集めないといけない状況。自腹での持ち出しも加味して実際にはもっと少ない支援で済むかもですが、上記には車両代/パーツ代は一切入れてないし、上記もほんと草レースエントリーという最低限の出費なので、実際には自腹分も含めてもっとコストかかってると推測。
転倒すれば部品やツナギ修理があるし、トランポ代宿泊代も馬鹿になりません。
プライベーターってほんと金必要だなー。かつ数十人の支援者の期待を背負って走るってどういう気持ちなんだろう。私にはプレッシャーすぎて到底無理。（期待されるほどの走りがそもそも出来ないという話はいったん置いといて・・・）
書きながら思いましたが、プライベーターって２種類いるんですよね。バイクメーカー専属チーム（いわゆるワークス）に対抗する位置づけとして、ワークス以外の位置づけの「プライベーター」。そのプライベーターの中にもショップやアフターパーツ屋チームのもの（ヨシムラとか桜井ホンダとか）もプライベーターだし、あとはそこにも含まれない完全プライベーター。私が上で書いていたプライベーターはこの「完全プライベーター」を指してます。
ヨシムラ等はもう「準ワークス」的な位置なのでそれをプライベーターと呼ぶと完全プライベーターたちとのギャップがありすぎると思っていて。
完全プライベーターは資金が少ないという点を、他のプライベーターとお互い助け合って補完してます。レースはある程度人が集まらないと回らないので、お互いがお互いのレースをサポートしあってます。私が何度かスポンサーしたことあるという方々は、こういう「お互い助け合う」というところになにか近い距離感を感じて、なにかしたくなってしまいます。一方的な親近感かもしれませんが（笑） やばいやばい。
でもメーカーに近ければ近いチームほど距離も遠くなるし、上位プライベーターが期待するほどの大金サポートは出来ないので、自分はやはり単に支援する以外のなにか（距離感とか親近感とか、つい応援したくなっちゃう人柄とか）が個人スポンサーの源になってます。
「オートバイ スポンサー 募集」と検索すると資金集めを行っているプライベーターがいっぱいヒットします。１口1,000円～とか1円～とかいろいろ。各プライベーターのお財布事情は分かりませんが、もしかしたらこういう活動に参加することでよりプライベーターの活動に関心を持って、また機会があればプライベーターたちと話をすることで、バイクやサーキット走行の違った魅力が見えてくるかもしれません。
私もこれを書きながら、とあるプライベーターにスポンサーしました。久々だな。