パラリンピアンが乗る車椅子メーカー「OX」

オリンピック・パラリンピック、終わりましたね~ コロナ禍で結局直接見る機会はなかったですが、またコロナ禍真っ最中での開催に賛否ありましたが、個人的にはやっぱやれて良かったなーと思います。

パラリンピックはどうしてもオリンピックに比べて盛り上がりが少ないですが、それでもアスリート同士の真剣勝負は見てて飽きないですね。最終日、マラソンの道下選手の金メダルももちろんすごいんですが、西島美保子選手、あまり歳のことを言うのは失礼ですが、御年66歳で3時間29分という信じられない記録!

パラリンピックだと車椅子の競技もオンパレードですが、多くの日本の選手が乗っている車椅子のメーカー、OXについて。

赤、黄色、青というビビッドなカラーで、所々カーボンが見える、いかにも「戦えそう」なデザインの車椅子でひときわ目を引きます。80年代オートバイブームをご経験の方だったら記憶にあるかもしれませんが、こちらは80年代に良く名前を見た「SS-ISHII」がルーツ。「OXレーシング」という呼び名の方が記憶にあるかもしれません。SS-ISHIIは主にヤマハ向けパーツが多かったと記憶していますが、オートバイパーツメーカーがスポーツ向け車椅子を作ってるわけです。

業務の多角化?とも言えますが、創業者がオートバイの事故で車椅子生活を余儀なくされたのがきっかけ。実際にご本人が車椅子に乗ってみると、あれやこれや気になる点が出てきて、じゃあいっそのこと自分で作っちゃえという流れだったそうです。

バイクパーツ販売で培ったアルミ加工やフレーム設計技術がそのまま車椅子に応用出来、これまでにはない「戦うための車椅子」が完成したというもの。数年前、なにかのきっかけでこんな背景を知ったわけですが、それ以来パラリンピックの車椅子競技を見ては「OX」というロゴがあるかをつい探すようになってしまいました。先日終了した東京パラリンピックでは、私が見た競技(バドミントンとかマラソンとか)はほぼ全員? 日本の選手だったらOXロゴのある車椅子を乗っていたように見受けられました。

スポーツタイプだけではなく一般向けにももちろん販売しています。サイトには「ワクワクしよう。出かけよう。」と、車椅子で出かけることを後押ししてくれるようなモデルとなってます。私も街中でも何度か見かけたことあります。とにかく普通の車椅子とは全く異なってて、良い意味で目を引くんですよ。綺麗というか、おしゃれというか、機敏というか。

調べたら価格は20万円ほど。一般の病院で見るような車椅子は2万円ほどだからだいぶ高いですが、重量は3分の1、おそらく乗り心地も相当違うんでしょう。競技用モデルだったらさらにお高いんでしょうが、勝ちに行く為には機材から変えないと。バイクでもつるしの市販車で全日本に勝てるわけないですから、それと一緒なんでしょうね。

スポーツ用車椅子、競技で勝ちに行くための車椅子、これとオートバイで勝ちに行くためのパーツ作り、これらがつながっているという話でした。

そういえば10年ほど前、OX 01WというCBR150Rをベースとしたレーサーを出してたことを思い出しました。150ccを敢えて125ccにボアダウンし、オリジナルフレームに換装したモデル。フロント周りは倒立サスにラジアルマウントのブレーキキャリパーと戦闘力は大幅増し。当時これを見つけて「欲しいなー でも買えないなー」とか思ってまして、気がついたらもう販売終了となってしまいました。今でもどなたか所有してるんでしょうか。

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