KTMが破産手続き開始
先日はブレンボがオーリンズ買収という話を書きましたが、今度はKTMがオーストリア裁判所で破産手続きを開始すると発表が、親会社のPIERER Mobilityよりありました。うーん、なんとも残念なニュース。
KTMと言えばMotoGPにもエントリーしてるし、筑波TTではKTM 390CUPを開催してたりと、オンロードでも知名度抜群。そして以前から続くオフロードバイクでは言わずもがなのオーストリアのバイクメーカー。どうやらオフロードバイクやスポーツモデルの欧州での販売が低迷して、業績が悪化したとのこと。
日本ではKTMよりドゥカティやBMWのほうが知名度高いと個人的には思いますが、グローバルの売上はむしろKTMのほうが上とのこと。ちなみに日本でよく聞く外車バイクの売上高は
- ハーレーの2023年売上は5.8 Billion USD = 8,284億円(1ドル142.84円換算 2023/12/28レート)
- Harley-Davidson社の2023年Financial reportより
- KTMの2023年売上は2.7 Billion Euros = 4,297億円(1ユーロ 159.16円換算 2023/12/28レート)
- PIERER Mobility社のWebサイトニュースより
- BMW Motorradの2021年売上は2.7 Billion Euros = 3,557億円(1ユーロ131.74円換算 2021/12/28レート)
- BMW GROUPのWebサイト記事より
- ドゥカティの2022年売上は1 Billion Euros = 1,438億円(1ユーロ143.82円換算 2022/12/28レート )
- Ducati社のWebサイトの記事より
というわけで、ハーレーはさすがに売上大きいですが、KTMとBMWがほぼ同じ(データの年が違うので為替の関係で日本円は大きな差が出てますが)、そしてドゥカティという順番。つまりBMW Motorradと同じ程度の売上規模の会社が倒産しかけているという状況。こう考えるといかに大きなインパクトがあるかというのが分かります。
コロナ禍で「よっしゃ、もっとバイク売れるはず、増産増産~」と大きく伸ばした結果、コロナ禍が過ぎ去ったところで多くの在庫を抱えている模様です。
日本でもここ数年で新しくKTMディーラーがぽつぽつ誕生したなあと思っていましたが、この拡大路線の流れなんでしょうか。
もっとも、破産を回避するための対応というのが今回の手続きですし、ブランド力も大きいのでそのまま廃業することはないでしょう。Motomatters.comによると、KTMのパートナーであるインドのバジャイがKTMの株式を取得することが一つの選択としています。KTMに限らずですが、いまインドのバイク需要が強力でして、これが成立すれば、中国やインドが欧州メーカーの親会社になるという、現在自動車部門で起きていることがバイクにもそのまま当てはまるのかなと。
いずれにしても日本の消費者への影響が最小限となること、そしてMotoGPは継続してエントリーしてほしいなあ。